11月19日(金)19時より、香川県教育文化研究所主催、香川県教職員連盟協賛による第4回教育セミナーを、Zoomウェビナーを活用して開催、配信しました。今回は、NIE研究会共催セミナーとして開催し、徳島県教育文化研究所とも連携して行いました。また、後日(11月21日付)の四国新聞に、オンラインセミナーを取り上げていただき、掲載されました。

北村顕吾香川県教文研理事長(香教連委員長)の挨拶の後、今回は「コロナ禍の中で、どう子どもたちに社会の目を向ける教育ができるのか-NIE活動の可能性-」と題して、講師として阪根健二様(鳴門教育大学名誉教授・香川教文研所長)、植田恭子様(都留文科大学非常勤講師)のお2人の先生方をお招きして、講演していただきました。

まず、植田先生からは、「主体的に情報と向き合い自分の考えを構築する単元学習 -アナログとデジタルのハイブリッド-」と題して、御本人が実践された中学校国語科におけるSNSと新聞等の活かし方について話されました。具体的には、戦後 70 年で当時の新聞情報等が収集しやすいこととともに、SNS の機能の特性を考えると長期にわたって継続的な取り組みが効果的で あると考え、学年をまたがっての帯単元「時代を生きる 1945」(中学2年3学期 1月から3年2学期9月)において活用された実践です。本実践を通して、①思考の可視化であり、学びを振り返りつ つ、次の段階に進むことが出来た。②新聞記事やSNS等を活用して、生徒が主体的に当時の事象や心情等を検証・推察していくことが出来た。③ SNS の活用に より、「1945 年という時代」の情報を共有し、架空の世界ではありながらも生徒が当事者意識をもち、現実味のあるコミュニケーションを体験し、生徒の意識が変化した。等の成果があったことを話されました。

次に、阪根先生からは、「NIE実践の手法と条件を考える -戸田実践を切り口として-」と題して、NIE実践とはどのようなものを示すのか等について話されなました。新聞の価値を話された上で、NIE実践とは、発達的な観点から、小学校では新聞に慣れ親しむ活動 ・読解の力 ・社会への関心等を育む、中学校・高等学校では公民的な資質を育成する活動 ・読み比べや合意形成という視点で、その集大成として、大学や地域でのNIE(活動)へつながっていくことを述べられました。そのためには、教員側が、新聞を活用するのか、新聞を作るのか、新聞を学ぶのか、その意図と主旨が、明確化が必要であることを指摘されました。また、その積み重ねが、子ども自身が学習を「自分事」として捉え、成果を自分の言葉で言語化し、ある状況で身につけた能力を別の状況でも使える(と思う)力の育成、『主体的・対話的で深い学び』の育成に結びついていくことも述べられました。

最後に、濵田学徳島県教文研理事長(徳教団委員長)が謝辞、閉会の挨拶で、今回も充実した教育セミナーとなりました。次回は、令和4年1月9日に開催を予定しております。ぜひオンラインで御参加ください。

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